緊急掲載
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口腔領域医療にかかわるSARSへの提言
.  口腔領域を扱う医療関係者でも特に歯科医師、耳鼻科医師など唾液や気道分泌物に接触しやすい医療環境におかれている私達やきわめて近距離で文字通面と向う眼科医師などいかに考え行動するべきであるか提言してみたいと思います。
 免疫力の低下(体力の低下)により炎症が急性増悪し急来院されるケースを考えてみましょう。歯科開業医や耳鼻科開業医では決して稀ではありません。その問診からインフルエンザ様症状、発熱、渡航歴など、SARSを思わせる疑念を持つ場合です。
1,. 先に院内掲示物(別掲)にもとづきSARS関連の問診を行う。急性炎症等はかならず検温する。疑念があれば双方にマスク必要。
2 疑念のある時は口腔内に可及的触れずに接触したのちB型肝炎等に準じたユニバーサルプレコーション(注)を行う。この際N95マスク(外科マスク)、グローブ、ゴーグル、衣類などの術前の着用と術後の処理に十分注意する。飛沫、唾液感染を広げない工夫が必要。コロナウイルスは粘膜経由で感染しやすい特徴があり、特に注意が必要である。たとえば、義歯は必要がなければ外さない、口腔内X線撮影フイルム等唾液に触れてしまった器物の消毒と滅菌に注意。電話の汚染受話の消毒等も必要。
3. できるだけ処置は行わず、SARSの疑いについて、よく患者さんにご理解いただき、保険所に連絡、指示を仰ぐ。すなわち急性炎症治療に優先してSARS治療を行わざるをえないことをご理解いただく。
4. 歯科疾患であっても疑念のある患者さんを歯学部付属病院へ紹介してはならない。
5. 搬送は保健所の指示で行う。疑いのある患者さんの移動経路をいたずらに延ばして感染の機会を増やすべきではない。
6. 仮にユニバーサルプレコーションに基づき、一般開業歯科医院で治療した場合、カルテに可及的診断に患者さんの行動、接触記録を残す。そのときのスタッフ名、待合室で同席した方の名前、スタッフ名などもできるだけ詳細に記録すべきである。万一患者さんが重症化した際に追跡しやすくするためである。待合室に居合せたりすれ違ったりした程度の接触(カジュアルコンタクト)では感染しないとされている。一方、隣同士で座り、話をすると(クローズコンタクト)感染の可能性があるとされる。
7. 鎮痛解熱剤のOTC剤の使用禁止と、開業医から鎮痛解熱剤処方は出来ない旨をよく説明する。SARSは5月28日現在確定診断する方法がなく、想定される疾患の除外診断と経過により判断するしかない。PCRなどウイルス検査は参考にしかならない。ウイルス培養は時間がかかりすぎることもあり実用的ではない。発熱は9割のSARS患者に見られる最も有効な判断基準であり、解熱してその情報をマスキングすることは感染予防の点からして危険ですらある。正常時35℃台の低体温の人も関係なく38℃で判断してよいとのことである。
8. 紹介状は(多くの受け入れ病院に問い合わせたところ)呼吸器科と歯科を併記した宛名とし、感染症の疑いと添書するとよいとのことである。
. 今後、各医療団体(医師会、歯科医師会、保険医協会等)においてその行動についての議論をすすめ、患者さんと問題が起きそうな場合、たとえば診療拒否にあたるかどうかなどを想定したスタッフ行動マニュアル作成をいそぐべきであろう。

注:ユニバーサルプレコーション(Universal Precaitions,UP)は、すべての患者の血液は感染の可能性があるものとして取り扱い、針り刺し事故の予防や血液・体液暴露事故に対する対策を講じようとする考え方である。

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薗田 順(歯科医師)の文章より
SARS(重症急性呼吸器症候群)略称=サーズ日本名=新型肺炎
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愛知県のSARS対策
愛知県健康福祉部健康対策課のSARSページ
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